地域社会の調査:どのように地域社会のニーズを調査したか
大分大学の木質構造実験で使用済みのCLT廃材の廃棄とその廃棄費用が問題・課題となっていました。また、建築教育において、設計・デザインの専門教育を受けながらも、その実践の機会は社会人になってからに限られ、学生の設計デザイン作品の実作としての実現の機会はほぼ皆無です。また、日本で豊富な資源となっている杉材のCLTの利用は森林資源の保全にも繋がり、柔らかく温かみのある木質空間の創出は国内外の現代建築の大きな潮流の一つとなっていて、現代の建築家や建築学生が取り組むべき課題と言えます。
プロジェクトのインパクト:プロジェクト終了後、地域社会がどのように改善されるか
これまで大きなコストをかけて廃棄されていた木質(CLT)の廃材の再利用は環境負荷を軽減するサスティナブルな取り組みで、廃棄処分費の軽減は大分大学での研究費の効果的な活用に繋がります。また、建築学生の現実の課題に対する設計デザインの実践、更には、実作の実現という機会は、建築の設計を志す学生さん方にとって、極めて有意義な貴重な機会となります。更には、現代建築が向き合うべき課題でもあり、成果物はパブリックな空間への設置が実現し、地域社会への貢献が実現しました。
持続可能性:プロジェクト終了後、どのようにプロジェクトの恩恵が続くか
現在、参加した建築学生の多くが志した建築設計の道を、社会人として、歩み出しています。また、学生として、建築設計の道への歩みを進める為、更なる高みでの学び(大学院進学)を目指しています。現実の課題の設計デザインの実践と実作の実現が、建築の設計の道の歩みをより確かなものにしていると言えそうです。
また、炭素固定の役割を果たす木質(CLT)の活用はCO2削減、廃材の再利用はサスティナブルな取り組みとなっています。また、別府市・関の江ビーチというパブリックな空間での木質ベンチ設置により、そこを訪れる方々の癒しの場となりました。